名誉毀損、信用毀損などの誹謗中傷対応

会社の規模・形態に関わりなくブランドイメージを守ることは非常に重要です。お客様の心情的な部分もきちんと汲み取って、最も適切な方法を提案し、解決につなげます。

事業の要といえる「評判」「信用」を損なわせる中傷・風評

どんな会社にとっても、企業の評判や信用は事業を支える大切な財産です。それは個人事業についても同じです。たとえば、開店したばかりの整骨院。評判や信用をこれから築いていこうという大事なときに「あの整骨院の施術のせいで骨折した」などという事実無根の風評を立てられたら、経営を軌道に乗せることは難しくなります。こうした根拠のない風評から会社やお店の評判や信用を守ることは、非常に重要です。

地方企業にとって特に大切な「ブランドイメージ」

企業が地方にあったとしても、評判や信用を築き、守っていくことの重要性は変わりがありません。地方にあるからこそ、大都市では買えない商品や独自のサービスを強みにして企業のブランド価値を高めていくことができます。こうして築き上げた大切な企業のブランド・イメージは、地方にある中小企業だからこそ、守っていく必要があるのです。

評判や信用は企業にとって一番の財産
それを守るために、弁護士にしかできないことがあります

風評被害や名誉・信用毀損から企業を守るために弁護士は様々な手段を使うことができます。たとえば、SNSの匿名の書き込みを誰が行ったか突き止めるために裁判所の手続を使って発信者情報の開示を請求する。突き止めた相手方に対して内容証明郵便を送って謝罪・訂正を求めたり、損害の賠償を請求する。それでも応じない相手方に対して裁判を起こしたり刑事告訴を行う等です。

当事務所では、企業が当事者となる名誉毀損事件や風評被害対策の経験豊富な弁護士がお客様の事情に応じて最適な対応方法をご提案いたします。有名企業や政治家など著名人が当事者となる名誉毀損の裁判も多数扱った経験を有しており、訴訟になった場合も万全の対応が可能です。

あなたが納得できることが大事です
心情的な部分もきちんと汲み取って対応いたします

しかし、心ない中傷や根拠のない風評被害を受けた企業にとって、法的観点からアドバイスや訴訟対応を行うことだけが弁護士に求められていることではありません。事実無根の噂や口コミで自社の信用を傷つけられた企業やその経営者の方が感じるのは何よりもまず戸惑いや悲しみ、そして怒りや悔しさだと思います。当事務所では、お客様のお話をよくお聞きした上で、法律的な正しさだけでなく、経営者の方が抱える心情もふまえた最も適切な解決方法をご提案します。

着手金は案件の内容や相手方への請求金額を問わず一律300,000円

会社の評判や信用を害する風評や名誉毀損行為に対しては内容証明郵便による正式な抗議と損害賠償の請求を行うとともに、応じない相手方に対して裁判などの法的手続を講じることになります。 当事務所では、事件の内容や相手方への請求金額を問わず、名誉・信用毀損行為に対する対応を一律300,000円の着手金でお引き受けします。案件対応により成果が得られた場合に発生する成功報酬と実費のご負担以外に日当やタイムチャージをいただくことはありません。

匿名の加害者を突き止める発信者情報開示請求を定額料金でお引き受け

「匿名掲示板に誹謗中傷を書き込まれた」、「口コミサイトに明らかに事実に反するレビューが残っている」など、インターネット上では匿名の相手により企業の信用やブランド・イメージを損なうような被害が発生することは珍しくありません。このような行為に対しては、単に問題となる書き込みを削除しても同一人物による同様の書き込みが繰り返されるなど、イタチごっこになってしまうこともあります。企業の評判や信用を守るためには何よりもまず匿名の加害者を特定することが必要になります。当事務所の名誉・信用毀損対応サービスでは、サイトの管理者やプロバイダ等に対する発信者情報の開示請求など、加害者特定のための法的措置を定額料金でお引き受けいたします。

専門用語の説明

名誉

名誉とは人に対する社会的評価を意味します。ここでいう「人」には個人(自然人)が含まれることは当然ですが、会社などの法人も含まれます。名誉は社会一般からの外部的な名声であり、「自分が自分に対してどのような評価を与えるか」という内部的な名誉感情とは区別されます。名誉は憲法第13条の個人の尊厳および幸福追求権から導かれる権利とされており、これを正当な理由なく侵害する行為に対しては名誉毀損罪(刑法第230条)により処罰される場合があるほか、不法行為(民法第710条、709条)として損害賠償等の民事上の責任を問われる可能性があります。

名誉毀損

正当な理由なく他人の名誉を侵害する行為を名誉毀損と呼びます。名誉毀損については刑法上の名誉毀損罪と民法上の不法行為としての名誉毀損を区別する必要があります。

①刑法上の名誉毀損罪

刑法で定められた犯罪構成要件に該当する名誉毀損は名誉毀損罪として処罰の対象となります。刑法上は「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した」場合に名誉毀損罪が成立するとされています。名誉毀損罪が成立する場合の法定刑は3年以下の懲役・禁錮、または50万円以下の罰金です。
摘示した事実(内容)が真実であったとしても、それだけでは名誉毀損罪の成立が否定されることにはなりませんが、摘示した事実の公共性、摘示行為の目的の正当性、および摘示事実の真実性を見たす場合には犯罪が不成立となります(刑法第230条の2第1項)。

②民法上の不法行為としての名誉毀損

名誉毀損は刑事罰の対象となるだけでなく民法上の不法行為として損害賠償等の民事上の責任追及がなされる場合があります。刑法上の名誉毀損罪については法律上、成立要件が定められていますが、民法上の不法行為としての名誉毀損については以下の2つの条文を根拠に不法行為の成否が判断されます。

民法第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

民法第710条
他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

具体的には故意または過失で他人の名誉を侵害した場合はそれによる財産的損害(たとえば、社会的評価が下がったことによるビジネス上の不利益)と非財産的損害(たとえば、名誉を害されたことによる精神的苦痛に対する慰謝料)につき賠償を求めることが可能です。
また、名誉毀損に対して裁判を起こすことで民法第723条に基づき謝罪広告の掲載等の名誉回復のための措置をとるよう請求できる場合もあります。

民法第723条
他人の名誉を毀損した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる。

侮辱

名誉毀損と似て非なる概念として侮辱というものがあります。刑法では侮辱罪について次のように規定されています。

刑法第231条
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

名誉毀損罪では「事実の摘示」が要件となっているのに対し、侮辱罪は「事実の摘示」が不要とされているのが特徴です。具体的には、「あの会社の作っている製品には欠陥がある」という場合には事実の摘示があり、名誉毀損罪が成立する可能性がありますが、会社の社長や従業員に対して「馬鹿」などの罵倒を加えただけであれば事実の摘示がないため名誉毀損罪は成立せず、侮辱罪が成立するにとどまります。なお、刑法上の侮辱罪に該当しうる行為については、その内容、頻度、侮辱が行われた周囲の状況等によっては民法上の不法行為にも該当し、損害賠償責任が生じる場合があります。

信用毀損

虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて他人の信用を害した場合、信用毀損罪(刑法第233条)が成立します。「虚偽の風説の流布」とは事実と異なる噂などを流すこと、「偽計」とは人を欺いたり、錯誤・不知を利用したりすることを意味します。また、「信用」とは経済的信用(支払能力)が典型例ですが、それだけに限られず商品やサービスの品質など、より広い意味での信用も含まれます。信用毀損罪が成立する場合の法定刑は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
なお、刑法上の信用毀損罪に該当する行為を含め、他人の信用を正当な理由なく侵害する行為を行った場合には民法上の不法行為として民事上の責任を問われる可能性もあります。

業務妨害

刑法上、企業を含む人の業務を妨害する行為に対しては偽計業務妨害罪(刑法第233条)と威力業務妨害罪(刑法第234条)の2つの犯罪類型が定められています。いずれの場合も犯罪が成立する場合の法定刑は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。偽計業務妨害罪と威力業務妨害罪はどちらも人の業務を妨害した場合に成立する犯罪ですが、妨害手段が異なります。虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて他人の業務を妨害した場合は偽計業務妨害罪が、威力を用いて妨害した場合は威力業務妨害罪が成立します。業務妨害が問題となることの多い企業のクレーム対応の場面を例にとって具体例を挙げると、購入した商品に欠陥があったと虚偽の申告を行ってクレーム対応させるようなケースでは偽計業務妨害罪が、クレーム対応窓口で対応にあたった従業員を繰り返し罵倒するようなケースでは威力業務妨害罪が成立する可能性があります。

発信者情報の開示

プロバイダ責任制限法第4条に基づき、名誉や信用など権利を侵害する情報を発信している者(発信者)を特定するために、プロバイダ、サーバの管理者等に対して情報開示を求めることを発信者情報の開示請求と呼びます。発信者情報の開示を求めるためには、侵害情報の流通によって権利が侵害されたことの明白性、および情報開示を受けなければ発信者を突き止めて責任追及を行うことが困難であるなどの正当な理由があることが必要です。また、匿名掲示板やSNSなどの書き込みによる権利侵害に対して発信者を突き止めるためには掲示板やSNS等の運営者(コンテンツ・プロバイダ)からIPアドレスの開示を受け、それに基づいて電話会社等のインターネット接続サービスを提供する事業者(インターネット・サービス・プロバイダ)から発信者の個人情報の開示を受けるという2段階の手続が必要となります。

告訴

告訴とは犯罪の被害者その他の告訴権者が被害事実を警察などの捜査機関に申告し、訴追・処罰を求める意思表示をいいます。告訴は被害者をはじめとする告訴権を有する者が行うという点で、告訴権を有しない第三者が行う告発と区別されます。また、被害事実を申告するだけでなく正式に訴追・処罰を求めるという点で被害届とも区別されます。名誉毀損罪など一部の犯罪は告訴がなければ検察官による起訴ができない(=刑事裁判を始めることができない)とされており、こうした犯罪を親告罪と呼びます。

告発

被害者など告訴権を有しない者であっても、犯罪が発生したと考える場合には警察などの捜査機関に対して訴追・処罰を求めることが可能です。このような第三者による訴追・処罰を求める意思表示は告発と呼ばれます。

被害届

犯罪により被害を受けた者が被害事実を警察などの捜査機関に申告することを一般に被害届と呼びます。被害届は被害者が被害事実を捜査機関に申告するという点で告訴と共通していますが、訴追・処罰を求める意思表示を含むものではないため、刑事訴訟法に基づく正規の手続である告訴とは区別されます。そのため、親告罪(起訴するために告訴が必須とされている犯罪)について被害届が出されているだけでは起訴を行うことができません。

慰謝料

民法上の不法行為が成立する場合、財産上の損害だけでなく精神的苦痛をはじめとする非財産的な損害に対しても賠償を求めることが認められています(民法第710条)。非財産的な損害に対する賠償のうち、特に精神的苦痛を癒す(=慰謝する)ために支払われるべき金銭を一般に慰謝料と呼びます。慰謝料は不法行為の内容、程度、頻度、被害者と加害者の関係、不法行為後の謝罪の有無など様々な事情に基づいて裁判所が最終的に算定することになります。

内容証明郵便

内容証明郵便とは郵便局(日本郵便株式会社)のサービスの一つである内容証明サービスを利用して出される特別な書留郵便のことです。郵便局の内容証明サービスは郵便法の規定に基づきます。

郵便法第48条
1 内容証明の取扱いにおいては、会社において、当該郵便物の内容である文書の内容を証明する。
2 前項の取扱いにおいては、郵便認証司による第58条第1号の認証を受けるものとする。」

内容証明郵便を差し出す場合、郵便に付す書面の内容について郵便局の証明が受けられるため、「間違いなくその内容の書面が差し出された」ということを証明することができます。そのため、相手方に送付した書面の内容が後から争われるおそれがあるケースでは内容証明郵便を使うことでそうした争いを防止することが可能です。なお、送付した郵便が間違いなく相手方の住所に配達されたということも証明する必要がある場合は内容証明郵便に配達証明サービスをつけることで配達日についても郵便局による証明が受けられます。名誉毀損の加害者が判明している場合、弁護士は初動対応として加害者に対して弁護士名で内容証明郵便による警告書を送付し、名誉毀損行為の中止や損害の賠償を求めるのが一般的です。前述のように内容証明郵便は送付した書面の内容を後で証拠として使うことを予定したものですから、加害者に対して訴訟提起を含む法的対応を行うという被害者側の「本気度」を伝える意味合いもあります。

謝罪広告

名誉毀損による不法行為が行われた場合、慰謝料その他の金銭的な賠償だけでは被害回復が十分図れないというケースがありえます。特に、テレビ、新聞、週刊誌などのマスメディア(マスコミ)による報道で名誉が毀損された場合、単に金銭による賠償を受けただけではなく全国的に広まってしまった悪評を払拭しなければ被害回復が図れないということが珍しくありません。このような場合、裁判所が名誉回復のための措置を講ずることを判決で加害者に命じることができるという制度が用意されています(民法第723条)。名誉回復の措置の具体的内容については事案ごとに様々なものがありえますが、特にマスコミによる報道で名誉を侵害されたというケースでは日刊紙の全国版に広告を掲載して謝罪させるという方法がとられることがあります。こうした名誉回復のために掲載される広告を謝罪広告と呼びます。

名誉毀損の具体例

事例①:心ないインターネット上の口コミ | 削除や損害賠償を求めたい

地元の顧客だけをターゲットに運営している会社やお店でも、インターネットを使って手軽に情報発信ができる時代になりました。逆に、顧客の側も口コミサイトやSNSを使えば匿名でお店の評価を全世界に発信することができます。根拠のない低評価や悪意のあるコメントを書き込まれて、お店の売上にも悪影響が出てしまっている企業も珍しくありません。

たとえば、駅前にある個人経営の学習塾を例にとってみましょう。生徒は周辺に住む、中学受験を目指す子どもたちです。塾長先生の受験ノウハウと子どもに好かれる人柄で経営が成り立っています。ところが、ある日、インターネット上の掲示板で学習塾の名前をあげて「あの塾の先生は日常的に生徒に暴言を吐いている」という事実無根の書き込みがなされてしまいました。書き込みを見た生徒さんの保護者からも不安に思って問い合わせが来ています。

インターネット上では誰でも匿名で情報発信ができるため、まったく根拠がなかったり、事実を極端に誇張したりした悪評を書き込まれることも珍しくありません。このようなケースでは、何よりもまず事実に反する書き込みの削除を掲示板の管理者に求めることが必要になります。また、書き込みを一つ削除できても同じような悪評が繰り返し書き込まれるとイタチごっこになってしまいます。再発防止のために、匿名の書き込みを行った人物を特定して誓約書を書かせたり、売上に影響があったときは損害賠償を求めることも必要となるでしょう。当事務所では、こうしたインターネット上の企業に対する悪評への対応も取り扱っております。

事例②:同業者の中で村八分にされて困っている | 何かできることはないか

地方の場合、特定の業種を営む会社が数社しかなく、みんな顔なじみということは決して珍しくありません。長年付き合いのある企業同士、顔が見える安心感もありますが、関係がこじれると同業者の中で孤立させられ、取引にも悪影響が出てしまうこともあります。

たとえば、木材を加工して工芸品を生産・販売している会社のケースを考えてみましょう。その地域では、伝統的な工芸品を生産する木材加工業者6社が同業者組合を作って材料となる木材の共同購入や工芸品フェアの共同開催などを行っています。ところが、組合内の重鎮と違う意見を理事会で主張したことをきっかけに、組合内で孤立化。共同購入や共同イベントにも加えてもらえず、取引先にも根拠のない噂を流されるなど、村八分のような状況になってしまいました。

このように同業者や同業組合の中で孤立化させられるようなケースでは、「人間関係のことだから」、「組合内の問題だから」と法律による解決を諦めてしまいがちです。しかし、弁護士に依頼して対応することで経営上の損失について損害賠償を求めたり、悪評に関して謝罪・訂正を求めたりすることができます。また、共同購入の拒否などに対しては独占禁止法上の措置を講じることができる場合もあります。
狭い業界内の出来事のため泣き寝入りしがちな問題ですが、法律を使って解決を図ったり、被害を最小に食い止めることは可能です。当事務所では、御社の置かれた業界内での状況をしっかりお聞きした上で最適な対応方法を提案させていただきます。

事例③:経営者に対する名誉毀損 | 私生活上のことでも会社の評判への悪影響が心配

特に地方にある企業の場合、経営者も顧客も同じ地域の住民ということがよくあります。同じ町内会や自治会に入っている。子どもが同じ学校のクラブに所属している。家族や友人から紹介されて仕事を請け負っている。人間関係が商売の鍵になっていることも珍しくありません。

商店街の中にある小さなパン屋さんのケースを例にとってみましょう。店主と顔なじみの地元の住民が常連客のお店で、お客さん同士も知り合いばかりです。ところが、自宅のゴミ出しの問題で近所の住民とトラブルになり、周囲の住民に悪口を言いふらされるようになってしまいました。常連客で持っているお店の売上にも影響が出始めています。

経営者の私生活に関するトラブルをきっかけに起こった悪評。それによりお店の売上が落ちても仕事と私生活は別の話。そう考えて諦めてしまう人も多いかもしれません。しかし、企業とその経営者が一体性を有している上記の例のようなケースでは、経営者に対する私生活上の悪評であっても経営に大きな痛手となることがあります。悪評を流す人物に対して正式に抗議するとともに、損害賠償請求を行うなどの措置が必要になることもあるでしょう。
当事務所では、こうした経営者個人に対するいわれのない攻撃に対する法的対応についてもご相談いただけます。「経営者の顔が見える」中小企業だからこそ放置できない、こうした問題についてもお気軽にご相談ください。