中途解約に関する条項

一方的に途中で契約を解約することは原則としてできない

契約書の中で中途解約に関する条項はとても重要です。なぜなら、契約は一度締結すると途中で一方的にこれを終わらせることができないのが原則だからです。中途解約に関する条項がない場合に契約を途中で終了させることができるのは下で書いたような例外的な場合だけと言えます。

●相手方に契約違反等がある場合における法律に基づく契約解除
●相手方と契約を解消することを合意できた場合における合意解約

逆に言えば、契約違反がなく、しかも相手方が契約を終わらせることに同意してくれない場合、いくら自社が契約を途中でやめたいと思っても一方的にこれを終了させることはできません。

契約期間が長い場合は中途解約の条項を入れることを検討する

たとえば納品が一回限りの商品の売買のような単発の契約では途中で契約を解消したいと思うケースはまれでしょう。これに対して、機械の継続的なメンテナンス・サービスや警備サービスの提供のように契約期間が数ヵ月あるいは1年を超えるような契約の場合、いったん契約をしても途中で事情が変わったため契約を中途で解約する必要が生じることがあります。

上で説明したように中途解約の条項がない場合、こうした長期にわたる継続的な契約であっても相手方に契約違反があるか、または相手方と契約の解消について合意できない限りは途中で契約を終わらせるということはできないのが原則です。たとえば、機械のメンテナンスであれば別メーカーの機械を新しく入れたので前からあった機械のメンテナンスはもうしなくてよいという場合であっても、契約期間が残っている限り、途中で一方的に契約を解消させることはできません。結果的にそれほど使用する必要のない機械のメンテナンス費用を払い続けなければならなくなります。

契約期間が長ければ長いほど、そして契約期間中に事情が変わる可能性が大きければ大きいほど、中途解約の条項を入れておくことが大切になります。契約の目的物などにもよりますが契約期間がおおむね6ヵ月を超えるような契約の場合は途中解約の条項を入れなくてよいか検討したほうがよいでしょう。

契約終了後のことも契約書で取り決めておく

中途解約の条項に関連して、契約書の中では解約や期間満了により契約が終了した後のことも書いておく必要があります。特に、業務提携契約や共同研究・開発契約のような契約類型では、守秘義務(秘密を守る義務)や競業避止義務(一定の範囲で同じ商売をしてはならない義務)に関する条項を契約書に盛り込むことがありますが、こうした条項は契約終了後も一定期間または無期限に効力を持たせたほうがよい場合が多いです。

一般に契約終了後の効力を取り決めておいたほうがよい条項

●守秘義務に関する条項
●個人情報の保護に関する条項
●競業避止義務に関する条項
●知的財産に関する条項

もちろん上で挙げた以外の条項であっても取引や契約の内容によっては契約終了後の効力について定めておいたほうよいケースがあります。逆に、契約終了後に効力を残しておくことで自社のビジネス上の支障になるケースもあるため、契約終了後の契約条項の取扱いについては途中解約など契約終了に関する条項とあわせて弁護士など契約実務を専門に扱う専門家のアドバイスを受けて検討したほうがよいでしょう。


次頁では契約交渉のポイント①初めての取引先との交渉について解説します。